小寒
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しょうかん
小寒は寒の始まり。ここから立春までを寒中と呼びます。年賀状に間に合わなければ寒中見舞い、柔道や剣道を稽古する人は寒稽古です。また寒中の水に餅をつけると腐らない、寒中に作った糊は寒糊といって接着力が強く、寒中に生まれた鶏卵は寒卵と呼ばれ栄養が豊富で、寒中に作った口紅は寒紅と呼ばれ発色がよいとされています。ちょっと寒に期待しすぎですね。
- 寒紅の濃き唇を開かざり
- 富安風生
芹乃栄
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せりすなわちさかう
春の七草の芹がわずかに生長する。芹は香気の強いハーブで、花は夏に咲くけれど早春に食べられるので春の植物とされているのが人間本位。詩人の薄田泣菫は「芹」と題された随筆で「私が芹を食べるのは、その環境を味ふ」と書いており、香気が歯にひびくのが水辺で咲いているさまや春の来る足音を詩人に感じさせるのでしょう。和え物や天ぷらにするのもいいけれど芹の炊き込みご飯もいいですね。
- ぬけがらの仏うるわし芹伸びる
- 橋閒石